アレキサンダーファン
2008年9月掲載
第33回 アレキファン的「ホルンの“ホ”」
ベルリンフィルのアレキサンダー吹きと日本のオーケストラのアレキサンダー吹きが夢のコラボレーション

−アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン特別演奏会withシュテファンドール&サラ・ウィリス−
ベルリンフィルのアレキサンダー吹きと日本のオーケストラのアレキサンダー吹きが夢のコラボレーション

 タイトルの「ベルリンフィルのアレキサンダー吹き」はシュテファン・ドールとサラ・ウィリス。「日本のオーケストラのアレキサンダー吹き」とはアレキサンダーホルンアンサンブルジャパン(以下、AHEJ)のメンバーのこと。
 11月24日に東京・千駄ヶ谷の津田ホールで開催される、その名の通りの「アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン特別演奏会withシュテファンドール&サラ・ウィリス」(長い!)で、この“夢のコラボレーション”が実現する(※詳細はコンサート案内を参照)
 曲目は、ウィギンス:8本のホルンのための組曲 第1番、ボザ:4本のホルンのための組曲、ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」ファンタジー、モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495より 第3楽章ロンド、ノイリンク: バガテル、R.シュトラウス: 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」と、定番曲、レア曲、アレンジものを取り揃えて興味深いプログラムとなっている。
 しかも、モーツァルトではシュテファン・ドールがソロを、《バガテル》ではなんとサラ・ウィリスがソロを吹く。さらにボザでは1番/4番を、《ティル》では1番/10番をそれぞれドール/サラが吹くというのだから、これは絶対に見逃せない! ドールの歌心あふれるメロディを、サラの超パワフルな低音をホルンアンサンブルという場で味わう絶好の機会だ。
 ベルリンフィルの2人の話が先になってしまったが、上間氏、伴野氏という新メンバーを迎えてリフレッシュを図るAHEJも要注目だ。在京の4つのオーケストラから2人ずつ、計8人によるオール・アレキサンダーのホルンアンサンブルが新メンバーとなり、どんな音色を聞かせてくれるのだろう。また、ここにベルリンフィルの2人が加わることにより、アンサンブルにどんな化学反応が生まれるのだろうか。
 この演奏会にあたって、「アレキサンダーファン」のためにAHEJのメンバー全員からコメントをいただくことができたので、ご紹介しよう。
(なお、取材は練習開始前のタイミングで、曲目も全て決定していなかった時期に行なわれたことをお断りしておきます。)

ベルリンフィルのアレキサンダー吹きと日本のオーケストラのアレキサンダー吹きが夢のコラボレーション


久永重明さん(読売日本交響楽団)
 5月のAHOCキャンプでシュテファンと金子、阿部、久永でヒューブラーの《コンツェルトシュトゥック》を演奏したのですが、そのときの感動が忘れられないですね。「世界の最高レベルというのはこういうものか」と改めて実感しました。今回もAHEJのメンバーが、シュテファンとサラという2人に影響されないわけがないので、どういう響きになるのか自分としても興味があります。
 また、AHEJ自体もメンバーの変更もあったので、これを機にこのアンサンブルがまた新しい方向に変わっていくのではないかとも思っています。アレキサンダーという楽器のサウンドというものはもちろんあるのですが、その中でも吹く人のカラーは必ず出ますからね。
 今回の演奏会のプログラムで注目曲は、下吹きのためのソロであるノイリンクの《バガテル》をアレンジして、ピアノ伴奏のパートをAHEJが担当し、サラのソロで演奏します。「日本のサラ」と言われている野見山さんに、ぜひサラと共演をしていただきたいのですが。というよりも、これからはサラを「ドイツの野見山」と言いたい(笑)。


金子典樹さん(新日本フィルハーモニー交響楽団)
 シュテファンとはドイツ時代から知り合いで、オケなどで一緒に吹いたことはありますけれど、きちんとした形で一緒にアンサンブルをするのは初めてです。
 以前、AHEJはバボラークとの共演で演奏会をしましたが、そのすぐ後くらいからシュテファンも「一緒にやろうよ」と言ってくれていたんです。でもなかなかスケジュールが合わなくて、今回AHOCキャンプで改めて話をして、やっと実現することができました。そうしたら「その日はサラも空いているから一緒にどう?」という話がシュテファンからあって、それで2人のゲストが決定しました。
 AHOCのキャンプでシュテファンと僕ら3人でヒューブラーの《コンツェルトシュトゥック》を演奏したときも、響き具合がとてもいい感じだったんです。もちろんシュテファンの響きが豊かだということもありますが、彼らが入ることで、アンサンブル全体の響きが変わってくるんです。もしかすると、お客さんよりも、僕らの方が楽しんでやっているかもしれません(笑)。


有馬純晴さん(東京都交響楽団)
これまでも、AHEJ用のアレンジをいくつか担当してきましたが、今回は私はアレンジの必要はなさそうです。ノイリンクの《バガテル》については、前回のCD『カーニバル』では下吹き4人で、ソロも分担する形で演奏しましたが、今度はソロ+バックという形にして、前回と同じ小林健太郎さんにアレンジを依頼しています。
 AHEJとしては、あのベルリンフィルの2人が入り、彼らの音がミックスされることで、僕らのサウンドも良い意味で引っ張られていくのではないかと思っています。


野見山和子さん(東京都交響楽団)
 ドールさんもサラさんも、共演は初めてです。ドールさんも大好きなのですが、特にサラさんは、同じ女性の下吹きとしてすごい憧れていたので、一緒に演奏できることが嬉しいです。女性のホルン奏者って、プロではまだまだ少ないじゃないですか。だからこそ、このアンサンブルの中で2人で吹けるということは本当に楽しみですね。あと、彼女のノイリンクの《バガテル》も聴けるし。私は聴きたいから、《バガテル》は降り番にしてって頼んでるんですけど(笑)。


竹村淳司さん(東京交響楽団)
 最大のポイントは、シュテファンとサラと一緒に吹くということです。これは、同じホルンを演奏している者として、世界最高レベルのプレーヤーと一緒にアンサンブルができるということは身が引き締まる思いでありますし、同時にどんな音楽を作っていけるだろうかという期待も持っています。
 AHEJのメンバーも少し変わりましたが、今回のメンバーも素晴らしい人ばかりなので、またいい演奏ができるのではないかと期待しております。


阿部雅人さん(新日本フィルハーモニー交響楽団)
 先日のAHOCのキャンプでシュテファン(ドール)と一緒に演奏してとても楽しかったけれども、シュテファンと今度はサラとも演奏できるというのは、僕自身とっても楽しみに思っております。
 同じアレキサンダー――しかも僕以外は103――という楽器のアンサンブルですが、今回伴野さん、上間さんという新しい2人が参加したことで、僕らの音がどう変わるか、乞ご期待です。


上間善之さん(東京交響楽団)
 AHEJには今回から参加します。やはり私が新規に参加することになったジャパン・ホルン・カルテットも、くしくも4人全員がアレキサンダーだったこともあり、サウンドの面では心配していません。逆に4人ではできないようなアグレッシブな曲が楽しめるかなあとは思っていますが、またさらわないといけませんね(笑)。
 偶然だと思いますが、東京の4つのオーケストラから各2人ずつという構成なので、合同演奏のお祭り的要素もあって、楽しみですね。


伴野涼介さん(読売日本交響楽団)
 私も初めてAHEJに参加させていただきます。どちらかと言えば下を吹くことが多いですが、目立たず、埋もれずにやっていきたいです。
 全員がアレキサンダーによるグループというのが特徴ですが、普段アンサンブルをする上では、楽器ということはあまり意識していないですね。でも吹いていて、「あっ、みんなアレキサンダーなんだ」と思う瞬間はあります。個人的には、これから合わせを楽しんでいければと思っています。



ベルリンフィルのアレキサンダー吹きと日本のオーケストラのアレキサンダー吹きが夢のコラボレーション

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(文&写真=アレキサンダーファン編集部:今泉晃一)



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