アレキサンダーファン
2005年05月掲載
対談インタビュー プレーヤーズ

国内外のホルンプレーヤーにスポットを当て、インタビューや対談を掲載するコーナー。
ホルンについてはもちろん、趣味や休日の過ごし方など、
普段知ることの無いプレーヤーの私生活についてもお伝えします。



 プレーヤーズ 第7回

 小椋順二インタビュー


 
 
では、ホルンを始めたきっかけからお願いいたします。

 
小学生の時に鼓笛隊でトランペットを吹いていたんですけど、中学生になって水泳部に入るか吹奏楽部に入るか迷って、色々考えて吹奏楽部に入りました。それで、楽器を選ぶ時に金管も木管も一通り吹いてみて、何故か自らホルンを選んだんです。大体はジャンケンに負けてホルンを…というパターンが多いんですけどね(笑)。


 
 
水泳部ですか!?

 
もともと水泳が好きだったんです。小学校の時に、水泳は体育の授業でやっていたぐらいなんですが、鼓笛隊のほかに野球もクラブ活動でやっていました。でも中学に入ってからスポーツ系はすっかりやらなくなりましたね(笑)。


 
 
では音楽一筋に。

 
一生懸命!という感じではなかったんですけど、それなりに楽しんでやっていました。そして、音楽をもっとやりたいなと思い始め、中学2年の時からピアノを習い、中3の時には漠然と「音大に行きたい!」と思ったんです。でも音大に行きたい想いだけが先行して、何をやりたいのか、どうしたら音大に行けるのか分からなかったので、顧問の先生に「僕は何をしたらいいですか」って相談したら「おまえはアホか!」って怒られました(笑)。それで、ホルンをやっていたので、ホルンを勉強する事になったんです。


 
 
本格的にレッスンを開始したわけですね。

 
ちょうどその頃に、東京音大をホルンで卒業して地元に教師として戻ってこられた方がいて、レッスンにつきました。その方が高校生の時に習っていたのが、大阪フィルの三宅知次さんで、紹介していただいて高校2年生の時から月に1回のペースで三宅先生に習い始めました。


 
 
そして念願の音大へ進学。

 
三宅先生が教えていられた大阪音大へ入学する事ができました。親としては経済的な公立の大学に行ってほしいとの事だったので、京都芸大も受けたんですけど落ちました(笑)。毎年、入試の課題曲はモーツァルトの協奏曲第3番と決まっていて、レッスンも3番を見てもらっていたんですが、ある日先生から「入試の曲はモーツァルトの2番になったから」と言われたんです!そんなの高校生で上手く吹けるはずがなく、無理やり吹いてどうにか受かりました。後で聞いたら、その年は試験的に2番にしてみたらしく、次の年からまた3番に戻っていました(笑)。どちらにしろ、かなり下手くそだったんで三宅先生に出会っていなかったら、音大なんて入れなかったでしょうね。


 
 
大学に入られて、オーケストラに出会ったんですね。

 
もともとクラシック音楽が好きで、中学生の時には『FMfan(2001年12月をもって休刊)』という雑誌を買ってチェックして、FMラジオを録音したりしていましたね。だからオーケストラはずっとやりたいと思っていました。


 
 
在学中はずっと三宅先生に習われた。

 
そうですね。3年生の時に、マイケル・トンプソンの公開レッスンがあって受けたんですけど、その頃ホルンがとても嫌いになっていた時期で、レッスンを受けるのが嫌だったんですけど、先生に受けろと言われて受けたんです。でもこれが転機で、調子が悪く前に進まなかったのが、右手の使い方を教えてもらい、ちょっと開けたんです。これがきっかけでまたホルンを好きになりました。


 
 
ではそのまま4年生になりホルン奏者への道を進むわけですね。

 
それが4年生の夏には、卒業したらホルンを辞めようと思っていたんですよ。自分が1年生の時の4年生に比べると、仕事も無いし、今関西でオーケストラに入られている方たちが、フリーでやられてた時期で、なかなか下まで仕事が回ってこなかったんです。実家が近くならなんとかなったんですが、4年生の時点で目途が立たないので、無理かなぁって。それで9月に大阪シンフォニカー(現大阪シンフォニカー交響楽団)のオーディションがあって、そこで今の自分の出来る限りの力を出して最後にしようと決めて受けたんです。そしてオーディションを受けて該当者無しだったんですが、受けた中では1番気に入ってもらえたみたいで、それからずっとエキストラとして行く事になりました。それで続ける事になったんです。


 
 
なるほど、そしてホルン奏者生活がスタートした。

 
その翌年の6月にまたシンフォニカーのオーディションがあり、めでたく受かりました。とにかく周りの人に恵まれましたね、少々のミスは大目に見てくれて。まだ若いのに長い目で見て採用してもらったんだと思います。有難い話ですね。


 
 
それからオーケストラプレーヤーとして活躍していく事になるわけですね。

 
当時のシンフォニカーは、オーケストラに席をおいたまま留学出来る期間が半年だったので、翌年の3月一杯でシンフォニカーを辞めて、留学をしました。実は高校卒業したら、日本の大学を受けずに海外へ行こうとしていた経緯があったんですよ。なので、留学出来るならしようと思っていたんです。それで、大学の先輩にあたる池田さん(現大阪フィル首席奏者)がドイツのアーヘン国立音楽大学に留学されて、その後、現在大阪シンフォニカー交響楽団の中西さん、京都市交響楽団の澤嶋さんと続いていたんですね。
それから、当時澤嶋さんからアーヘンの先生であるデイビット・ブライアントの話を聞いて、興味を持っていました。その流れもありアーヘンに留学する事になったんです。僕が行っていた時は、オランダのマーストリヒト音楽院には日高剛さん、堂山淳史さんもいて、実はバスで1時間の所だったんです!そしてアーヘンには赤坂和之さんもいて、当時から交流があり、4人でカルテットをした事もあったりしました(笑)。


 
 
そして卒業されてから仙台フィルへ。

 
それまでドイツのオケしかオーディションは受けていなかったんですが、卒業という事もあり日本のオケを受けようと思ったんです。でも準備が遅く、仙台フィルのオーディションの締め切りがギリギリだったんですね。普通なら諦めるところなんですが、惹きつけられるように電話をしていたんです!その後3日で日本に戻りオーディションを受けて、受かる事が出来たので帰国しました。その後、京響を受けて現在に至ります。


 
 
では、アレキはいつからお使いになられているんですか?

 
中学3年の時に先生から「音大に行くなら自分の楽器を持たなきゃ」と言わ れ、三宅先生に連絡を取ってくれたんです。そしてアレキの中古を3本取り寄せてもらい、その内の1本を購入したんですけど、なんとその楽器は当時大阪フィルに居られた猶井さん(現在桐朋学園大学助教授)が使われていた楽器らしいんですけど、本人に確認していないので何とも言えないですが(笑)。103のゲシュトップキー付モデルからゲシュトップキーを抜いたものだったんですが、大学2年まで使いました。その後1103に変えて、シンフォニカーに入ってから103を使っています。


 
 
アレキ魅力は。

 
やっぱり、しっかり息を入れても楽器がちゃんと反応してくれるところ。それと音色が好きですね。


 
 
それでは、趣味についてお願いします。

 
趣味は料理ですね!高校生くらいから料理は好きで、全般的に何でも作るんですが、得意なのは和食です。今でも仕事が終わって、普通に買い物をして晩御飯を作ったりします。これが買い物をしてというプロセスが楽しかったりするんです(笑)。外で食べても、美味しいものに出会うと、何が入っているのか聞く事も!作る時はそれなりに集中して、他の事を考えなくなるので、気分転換になりますしね。作るのも好きですし、この体を見て分かるとおり食べるのも好きです(笑)。
あとはF1を見るのが好きです。これは中学生の頃から好きで、当時のセナ、プロスト、マンセル、ピケとか、面白かったですね。今はもちろん日本人選手は常に応援していますが、個人的にフェラーリ、シューマッハのファンです!でもまだ生で観戦した事は無いんですよ…。


 
 
では最後に会員に向けて一言お願いいたします。

 
ホルンという楽器は難しい楽器なので、どうしてもそれに囚われがちだと思うんです。だから、そこを超えて、自分の声のように吹けるよう心がけていますので、皆さんにもそう思いながら演奏していただければと思います。



PROFILE

小椋 順二 ●小椋 順二(おぐらじゅんじ) 

鳥取県倉吉市出身。1996年大阪音楽大学卒業。
大阪シンフォニカー交響楽団を経て1997年10月ドイツ国立アーヘン音楽大学入学。
在学中、Aachener Kammer Orchester(アーヘン室内オーケストラ)、Junge Deutsche Philharmonie(ユンゲドイツフィルハーモニー)に在籍。
2000年2月卒業。帰国と同時に仙台フィルハーモニー管弦楽団入団。2001年5月より京都市交響楽団に在籍。ホルンを三宅 知次、D.ブライアント、R.アルメイダ、H.ツィーグラーの各氏に師事。
ラ・ビッシュ・アンサンブル、シンフォニア・ホルニステンのメンバー。



インタビューを終えて

小春日和の京都。市民に根付いたオーケストラで活躍している小椋氏。直感でホルンを手にした時から、現在の生活が決まっていたのかもしれません。まるで何かに導かれるようにやってきたのですが、それは運命だけではなく、隠れた努力そのものだと思いました!うーん、ワタクシはいったい何処へ導かれるのでしょうか(^_^;)

みやっち@編集人

 
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