アレキサンダーファン
2005年04月掲載
対談インタビュー プレーヤーズ

国内外のホルンプレーヤーにスポットを当て、インタビューや対談を掲載するコーナー。
ホルンについてはもちろん、趣味や休日の過ごし方など、
普段知ることの無いプレーヤーの私生活についてもお伝えします。



 プレーヤーズ 第6回

 日高剛インタビュー



 
 
ホルンを始めたきっかけは?どこでも聞かれるとは思いますが(笑)。

 
日高 剛(ひだか たけし) 音楽が好きで楽器を何かやりたかったんですけど、トランペットは誰もが選ぶ楽器だからやりたくないな、ホルンは面白そうだなというのがあって。母親が音楽好きで、家にクラシックのレコードがあって、小学校のときホルンコンチェルトのレコードを聴いたりして、いい音するんだなあと思ったんです。中学生になり、吹奏楽部に入って「ホルンが吹きたいです」と言って始めました。小学校6年生のときに鼓笛隊でトロンボーンを吹いていたんですけど、それはほとんど覚えていません(笑)。


 
 
では、中学校ではブラスバンドでコンクールに?

 
県大会も突破できず、宮崎の片田舎で(笑)毎日ホルンを吹いていましたね。楽器を吹きに学校へ行っていたようなものでした。そのまま高校へ進学しても吹奏楽部に入り、ホルンをずっと吹いていました。


 
 
いよいよ大学へ進学

 
実は中学生のときから、ホルンで進みたいなと、なんとなくは思っていたんですが、どうやって音大にいったらいいかというのが分からなかったし、シャイだったので人にも聞けなかったんです。それで、中途半端などっちつかずになってはいけないと思い、ホルンは趣味にして一般大学へ入ろうと決めたのが高2のときです。


 
 
そして受験し見事合格。大学生生活がスタートですね。

 
大学に入りオーケストラのサークルに入り、そのとき初めてオーケストラでホルンを吹いたんです。1年生のときに、一般の大学から藝大の別科に行き、プロになられた田原泰徳先生と一緒に吹く機会があって、そういう道もあるんだなと思い、自分もそれを目指したいなと思ったんです。それで大学2年のときに九州交響楽団の山田眞先生を紹介してもらってレッスンに付いたんです。それから別科を受けるに当たって、田原泰徳先生のレッスンも受けました。


 
 
ホルンは趣味にして大学へ進まれたのですが、1年生の時にはホルン奏者を目指すことになったんですね。

 
大学に入ったときに周りの先輩が僕なんかより全然上手くて、ショックだったんです。それで、先輩たちより絶対上手くなってやろうと思ったんです。じゃないと自分がオケに乗れないですから(笑)。だから、凄く沢山の練習をしました。


 
 
ではホルンをメインに置いて、大学の授業もちゃんと受けていたんですね。

 
一応(笑)。3年生のときに藝大の別科に行くことを決めたんですが、「大学をちゃんと卒業したら、行ってもいい」と親に言われていたので、勉強していました。


 
 
そして別科を受けて、見事合格。

 
運良く合格しました(笑)。でも、落ちていたらホルンを辞めて就職活動しようと決めていました。別科に入ったら、やっぱり周りはメチャクチャ上手くてショックでしたね。みんなより年をくっていたので、時間的には自分のほうが長くホルンを吹いていたわけですから、これは練習しなきゃなって思いました。別科の2年間だけでは足りないと思ったんで、卒業したら留学しようと決めていたんです。


 
 
それで卒業後にオランダへ留学。

 
はい、色々な人の紹介や助けがあってオランダへ留学することが出来ました。サンダースとペンツェルという素晴らしい先生2人のレッスンを受けることが出来る、とても良い学校だったんです。 オランダの祭りにて
  オランダの祭りにて
オランダの祭りにて 素晴らしい先生方の教えを受け、ドイツのオケのオーディションに受かったりもしていたんですが、労働ビザの関係で日本に帰ることになったんです。まぁ運が悪かったんですね。
オランダの祭りにて  


 
 
そうですか、そして帰国したんですね。

 
生活するには音楽しかないと思い、音楽で仕事をするには、もう日本しかないと思ったんです。色々な人のおかげで、帰国後にフリーランスの仕事をさせてもらえたんです。それから2年経ち、2000年に転機が訪れたんです。日本管打楽器コンクール入賞、そして広島交響楽団のオーディションに合格したんです。


 
 
オーケストラ奏者としての生活がスタートした。

 
広響に入れなかったらホルンを辞めようと思っていました。このチャンスを逃したら、もう無いと思っていたんです。


 
 
その後、日本フィル、読響と移っていかれた。

 
自分の実力がどこまで通用するのか試したかったですし、オーディションやコンクールを受けるとなると、それなりの覚悟も必要ですし、練習するでしょ。とにかく練習して上手くなりたかったんです!周りの人たちには、ものすごい迷惑をかけて、申し訳なかったんですけど。


 
 
そして現在はNHK交響楽団。

 
今は試用期間なので、6月の本採用に向けて日々プレーしているんですけど、毎日が真剣勝負。そしてお客さんが楽しんでもらえるような演奏が出来るように、もっともっと練習して上手くなりたいです。


 
 
いつからアレキを使っているんですか?

 
別科の1年のときから103を使っていて、まだ2本目です。


 
 
アレキの魅力は?

 
やっぱり音の響き、倍音の響きが良いと思います。皆同じことを言うと思うんですけど、音色ですよね。あと、僕は吹奏感が好きです。包み込むような感じがします。


 
 
では趣味について聞かせてください。

 
そうですねぇ、あまり趣味といえるものは無いんですけど、読書は好きです ね。とくに時代物が好きで、最近は池波正太郎にはまっていて、『鬼平犯科帳』や『おれの足音』なんか好きです。あと司馬遼太郎の本は、ほとんど読みました(笑)。


 
 
では最後に会員に向けて一言お願いします。

 
アレキサンダーに限らずホルンはわりと難しい楽器なので、音楽全体を愛し、フレーズ感を大切にすることによって、楽器が答えてくれると思うんです。そういう風に考えると、もっと楽しくなるような気がします。そして僕もそうなれるように頑張ります。



[情報]
つの笛集団
第24回定期演奏会
2005年4月16日(土)18:00開演
第一生命ホール
【曲目】
エバイゼン/グランドキャニオン組曲
真島俊夫/委嘱作品
ムソルグスキー/展覧会の絵

【出演】
●つの笛集団メンバー
●スペシャルゲスト/山口道子(ソプラノ)
●ゲストホルニスト/ジョナサン・ハミル、福川伸陽
詳細はつの笛集団ホームページhttp://www.tsunobue.horn.jpまで。
  



PROFILE

日高 剛(ひだか たけし) ●日高 剛(ひだか たけし)

宮崎市出身。長崎大学を卒業後、東京芸術大学を経て、オランダ・マーストリヒト音楽院にて学ぶ。1998年オランダ国家演奏家資格を得て卒業。ホルンをE.ペンツェル、W.サンダース、守山光三、山田眞、田原泰徳の各氏に師事。2000年日演連推薦新人演奏会にて九州交響楽団とモーツァルトのホルン協奏曲を共演。第17回日本管打楽器コンクール第3位(1位無し)入賞。2000年広島交響楽団に入団し、その後、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団を経て、現在、NHK交響楽団契約団員。つの笛集団メンバー。



インタビューを終えて

『不撓不屈の精神』まさにその言葉がぴったりの方だと思いました。常に向上心を忘れず、努力を惜しまない精神の持ち主。そして、いい意味での『人の良さ』が見事にミックスし、現在の彼がいるのだなと思いました。そして確実にこの先のホルン界を担う奏者であると確信しました。まだまだ下っ端の下っ端である私も、向上心はあるのですが、それ以外が足りないな…と痛感させられました(+_+)

みやっち@編集人

 
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